Illustrator CCまでのバージョンで何が変わった?

いまだにつきまとうバージョン違いの挙動。
大きく何が変わったのか簡単にメモをしておこうかと。

Illustrator 8
---- 透明実装(PSでの互換性が一部失われる)、AI形式の実態がPDFファイルになる
Illustrator 9
---- 保存時にPDF互換とするか選択できる
Illustrator 10
---- テキストエンジン変更(PSでのテキスト不具合が大量発生)
Illustrator 11(CS)
Illustrator 12(CS2)
Illustrator 13(CS3)
---- 複数アートボード実装(PSでの互換がほぼ失われる)
Illustrator 14(CS4)
Illustrator 15(CS5)
---- 64bitでの高速化(環境によってクラッシュのラッシュ)
Illustrator 16(CS6)

2016-11-30 9と10の間に「追加保存時にPDF互換とするか選択できる」追加

Illustrator CS5で文字を置換するスクリプト

イラレCS5での話ですが、置換ダイアログを出すところまでははアクションに登録できるものの、置換する文字の組み合わせは記録されません。
常に同じ文字を置換したくても、アクションでは対応できないのです。

仕方がないのでスクリプトをおさらいすることに。
検索するといろいろ出てくるのですが、文字を操作するスクリプトは大抵
activeDocument.selection
を使用しており、文字を選択していることが前提となっているので使いにくいことこの上ないです。
そこで、ドキュメント内全てのオブジェクトからテキストかどうかを判定して、置換に掛けるように組み直してみました。
ファイル名を「relpacement.jsx」とでもして保存すれば使えます。

var data = {src:"あ", dst:"い"};
var targetObj = [];

// ドキュメント内からテキストのみを取り出す
var docObj = activeDocument;
for(var i=0; i<docObj.pageItems.length; i++){
	typ = docObj.pageItems[i].typename;
	if (typ != "TextFrame") continue; // テキスト以外は無視
	targetObj.push(docObj.pageItems[i]); // 対象を格納
}

// テキストの該当文字を置換
for(var i=0; i<targetObj.length; i++){
	var regSrc = new RegExp(data.src, "gm");
	targetObj[i].contents = targetObj[i].contents.replace(regSrc, data.dst);
}


CS5では正常に動いていますが、CCはでは不明です。
そもそもアクションに記録できるようになっているのかな?
CS6以降なら、スクリプトの実行もアクションに登録できるらしいので、さらに楽になりますね。
CS5ではいちいちファイルを指定しないとだめです。

イラストレーターのEPSデータを考察

イラストレータといっても、手持ちのは古いままで7でのお話です。
EPSで保存すると、プレビューとサムネールを保存するかどうかの確認がありますが、これはいったいどのように格納されているかを調べてみました。

調べるといっても、サムネイルもプレビューも含まないで保存したEPSファイルと、サムネイルまたはプレビューを含んだEPSファイルを比較しただけです。

保存したファイル名と保存日時のデータは無視して、それ以外を比較します。

まず、サムネイルを含んだEPSファイルを比較しました。
違っていたのは、以下のとおりです。
46行目にある
%AI7_Thumbnail: 128 128 8
から
%%EndData
これが、サムネイルデータのようです。
バイナリが16進で格納されているようです。
どの画像形式かはわかりませんが、おそらくTIFFではないでしょうか。

次に、プレビューを含んだEPSファイルを比較しました。
違っていたのは、以下のとおりです。
1行目の先頭にバイナリデータが含まれています。
その後に通常のEPSデータが始まります。
%!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0
そして34行目に、
プレビューを含まないEPSファイルでは
%AI3_DocumentPreview: Header
となっているところが、
プレビューを含むEPSファイルでは
%AI3_DocumentPreview: PC_ColorTIFF
となっいます。
そして一番最後にまたバイナリデータが含まれています。
通常のEPSデータの末尾である
%%EOF
の後に、バイナリデータが追加されています。

他のイラストレータのバージョンでは、また違うかもしれません。
比較に使用したファイルをおいておきます。
サムネイルもプレビューも含まないEPSファイル
サムネイルを含むEPSファイル
プレビューを含むEPSファイル